歯科医院の賞与の決め方

給与・賞与

歯科医院においての賞与は、本来、「医院の業績」と「スタッフ各人の評価結果」によって決定されるものです。世間の水準は全く無視するわけにはいかないものの、「業績」と「評価」によって変動が余儀なくおこなわれるものだということをスタッフに認識してもらう必要があり、<日々の業務の成果である>ことを伝えなくてはいけません。

賞与の計算式

賞与の決定方法は、以下の算出式がよく使われています。

賞与の計算式

賞与 = 基本給(+役職手当) × 平均支給月数 × 評価係数

平均支給月数の決め方

医院の業績状況によって決定します。

一般的には、年間で月給の2~3ヶ月分を支給しているところが多いですが、スタッフ募集の際に「賞与年2回 3ヶ月」などの掲載を行い、その条件で雇用契約を結んだ場合は契約内容を基準としてください。

業績を賞与に反映させる場合は、基準月数を決めておき、毎年の収益増減により±αを決定するスタイルが良いと思われます。

具体的に説明いたしますと、一年を二つの期間に分けて(夏は10月-3月、冬は4月-9月など)、その半年間での業績が目標、もしくは前年に比べて何%増減したかを反映させます。

評価係数

次に、評価を反映させる係数(=評価係数)を設定します。評価係数は、半年ごとの人事評価の結果をもとに設定します。

評価シート例

歯科医院スタッフ向けの『人事評価シート』のサンプルを無料で配信しております。ダウンロードして評価の参考にご利用ください。


医院での賞与の決め方を簡単に説明いたしますと以上です。以下に支給事例を掲載します。

賞与支給事例

平均支給月数を、夏1ヶ月、冬1.5ヶ月とした場合

例)
【医業収入】 当期:2,500万円 前期:2,300万円 増減率:108%

夏季賞与

・基本給18万円の場合  180,000円 × 108% = 194,400
・評価係数85点の場合  194,400円 × 1.2  = 233,280

冬季賞与(夏季と同条件)

・基本給18万円の場合 (180,000円× 1.5ヶ月) × 108% = 291,600
・評価係数85点の場合  291,600円 × 1.2 = 349,920


賞与の特性

賞与の特性は、給与(月給)に比べて上下変動させやすいことです。給与は下方硬直性(*1)がありますが、賞与はあまりありません。このことから、賞与の決定は能力主義や成果主義の導入を試すには、絶好の機会になると思われます。今後、『人事評価制度の導入』を検討されるのであれば、是非、賞与決定をスタートとしてください。
(*1)減額することには大きな反応がある慣習があること。賃金水準は上昇するが、下落はしにくい性質をもつ。

賞与を活用して、スタッフに医院の業績に関心を持たせる

スタッフの継続的なモチベーション維持のためにも、医院の業績を院長と同じ感覚で興味を持ってもらうことが重要です。医院の業績をスタッフの報酬と連動させることで、日々の業務や患者サービスを向上する力の源となり、更なる医院の発展へとスパイラルを起こすことができます。一度できた流れは、定期的に管理することによって安定した仕組みになります。より高いレベルで管理を行なうためには、前年比ではなく、毎月の収入と利益の目標を掲げ、医院全体でその目標を目指す仕組みが必要です。

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増患・増収.comでは、人事評価制度導入に関するご相談を承っております。本格的に人事評価制度導入を目指したい医院へは制度の策定や運用のお手伝いを、給与改定や賞与支給の糸口を考えておられる医院へは評価の方法や支給基準のご提案を行っております。
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提供:歯科専門 増患・増収.com
【新経営グループ】■ 新経営サービス清水税理士法人 ■ 株式会社新経営サービス
会計を中心としたコンサルティングを行い、歯科医院経営に携わる。「歯科医院のためのスタッフ人事評価制度マニュアル」作成を機に、歯科人事コンサルティングに取り組む。歯科専門コンサルタントとして歯科医院の改革を行い200医院を超える実績を持つ。

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