【コンサルタントに学ぶ歯科医院のスタッフ教育】スタッフにどんどん仕事を任せてみよう!

教育

近年、⻭科衛⽣⼠の有効求⼈倍率は20倍を優に超えており、採⽤に苦⼼している先⽣⽅も多いかと思います。

⼀⽅で、⽇ごろコンサルタントとして関与させていただいている医院の院⻑先⽣からは、全体数は減っているが優秀な⻭科衛⽣⼠が増えている(若しくは、⻭科衛⽣⼠のレベルは全体的に向上している)といったお声をよくお聞きします。

⻭科衛⽣⼠は⼥性⽐率が99.6%の職種であり、従来は結婚や出産までの腰掛的な採⽤でも問題はありませんでした。しかし、時代は変わり現在では育休取得後に1年ほどで復職してもらえるケースも増え、従来とは異なり終身雇用を見据えた雇用関係を再考する必要が出てきています。これからの医院マネジメントにおいて、女性スタッフのモチベーションを上げ続け、成長させ続けることは大変重要になるでしょう。

そんな中、私がコンサルティング依頼を受けた医院では、スタッフに業務を任せることを難しく考える院長が半数以上です。

その理由を聞いたところ、
どのようにして任せればよいかわからない
任せても失敗があれば一からやり直さないといけない
任せられることをスタッフが嫌がるかも知れない
といったお悩みの声が返ってきました。

このような声に対しては、山本五十六さんのお言葉をお借りしてお伝えさせていただいております。

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」

人を動かす名言のあとに続く言葉がヒントをくれます。

「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」

私なりに、業務を任せることが苦手な院長に実践していただきたいポイントを3つ上げます。

スタッフマネジメントが上手くいく
仕事を任せる3つのポイント

①話し合い、耳を傾け承認する

スタッフに任せる意図を伝えましょう。任せた後はどう管理するかを決めておきます。任せられるスタッフの意志も尊重するようにしましょう。

②任せて、やっている姿に感謝して見守る

とにかく任せてみましょう。任せたことを実践しようとする姿勢に感謝する心を持ちましょう。任せたことには簡単に口出しせず、見守りましょう。

③信頼するから、人は育つ

全面的に信頼しているのだと任せ続けましょう。修正点がある場合は、定期的にまとめて伝える機会を設けましょう。成功体験のあるスタッフは自然と次の業務を求めるようになります。

新たな仕事を始めることは、誰でも不安になります。新たな仕事を任せる際は、その仕事の「目的」、「内容」、「完成度合い」を共有することが大切です。

目的とは、仕事を進める目的

例えば、データ収集等の資料作りを任せるのであれば、なぜこの仕事が必要か。この資料をどのように活用するか。その上で、なぜこの仕事の担当に選んだか理由も伝えることで、自分のすべきことが明確になり、モチベーションが高い状態で仕事に取り組んでもらうことができます。

内容とは、仕事の内容

スタッフに仕事を任せる際、どのように業務内容を指示していますか。例えば、スタッフミーティングなどの会議を任せる場合では、開催日、参加者、場所などの概要のみを伝えるのではなく、何分で終わるか。どの議題を話し合うか。どのような雰囲気で進めるか。どのような結論を求めるか。等々。具体的な業務内容を理解しておくことで作業進行がスムーズに行えるようになります。会議であれば、あらかじめ議事録の様式を作っておくと様式の進行に沿って進めてもらうだけで求める成果に簡単に近づけることができます。

完成度合いとは、仕事の終着点

完成度合いは、先にゴールのイメージを共有した状態で業務を進めてもらうということです。この点を疎かにしてしまうと、仕事が完了した際に初めて終着点が違うことに気付く結果になってしまいます。必ず、最初に完成度合いのイメージや終着点を共有した上で、仕事の期限を設定し進めましょう。

任せたスタッフの意思を尊重する

責任と権限を与え、担当者の自由度も伝えることで、担当者が主体性を持って楽しんで仕事を進めることができます。スタッフの力量に合わせて、自由度、担当者の裁量範囲を伝えましょう。そのためには、日々スタッフの業務に取り組む姿勢を見ることも重要です。

スタッフの個性を見る

<過去記事参照>
スタッフが辞めない医院をつくる3つの定義
『①スタッフの個性を見る』

 

 

 


 

日々、同じ環境で同じ仕事を繰り返し、モチベーションを維持させ続けることは容易ではありません。仕事を任せられる優秀なスタッフには、正しい評価と働きに見合った報酬が受け取れる環境、スタッフのライフワークの変化や、ライフプランと自己成長を実現できる場として医院が上手くマッチできるかがポイントです。

歯科医院でのスタッフ管理や人事評価、教育にお悩みの方はぜひご相談ください。

執筆:
竹田 元治 歯科専門 増患・増収.com
歯科医院向けのコンサルティング、歯科医院の安定経営を目指す。「歯科医院のためのスタッフ人事評価制度マニュアル」作成を機に、歯科人事コンサルティングに取り組む。歯科専門コンサルタントとして歯科医院の改革を行い、200医院を超える実績を持つ。

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