歯科医院の増患・増収に取り組んでおられる院長から寄せられるよくあるご相談です。
「医院の運営改善により収入が増え利益も増えたが、通帳を見ると残高が増えていない、若しくは残高が減っている」とのこと。せっかく改善に取り組んでも、これでは院長のやる気も持続しませんね。この相談をきっかけにコンサルティングのご依頼をいただくこともあります。
なぜ、利益は増えているのに
キャッシュが増えないのか
利益が増えているのにキャッシュが増えない理由は、1つです。
利益以上に、『経費にならない支払い(キャッシュアウト)』があるためです。キャッシュアウトの主な内容は以下の3つです。
経費にならない支払い(キャッシュアウト)例
- 過大な借入金返済
- 設備投資の自己負担
- 生活費の認識不足
これらの問題はすべて、自医院のキャッシュフローを理解できていないために起こっています。
現状分析を行い、必要な収入額(売上高)を把握しましょう
院長は、キャッシュがプラスになる最低限の収入額(売上高)を把握しておかなければなりません。それには会計事務所等に協力いただき、医院の会計における現状分析を行い、必要な収入額(売上高)を計算してください。院長がイメージしておられる額よりも高い収入額(売上高)が必要となっているケースが多くみられます。
必要な収入額(売上高)に適した目標設定を行いましょう
キャッシュフローがプラスになる売上(数値)がわかれば、その数値をできるだけ、1年単位、1ヶ月単位、1日単位で計算し、「1日に何人の患者が必要となるか」を計算してください。その計算結果の達成度合いで、課題が見えてきます。
年間売上(収入)が5,000万円、利益は1,250万円(25%)の医院の必要患者数
【毎月】 416万円 ( 5000万円 ÷ 12カ月 )
【毎週】 104万円 ( 416万円 ÷ 4週 )
【毎日】 20万円 ( 104万円 ÷ 営業日数 5日 )
20万円 ÷ 6千点(一回当たり600点で計算)
=1日必要患者数 33人
医院の利益を確保する3つのポイント
- キャッシュがプラスになる収入額(売上高)を知ること
- 1日当たり何人の患者が必要かを知ること
- 必要患者数を毎日のアポイントに入れること
この3点を院長から発信し、受付、衛生士、助手スタッフが達成できるよう目標設定、実践してもらいましょう。達成できればキャッシュはプラスになりますので、スタッフへ賞与等で還元することもできます。継続的に医院経営を安定させるためには、会計実績をプラスにする→スタッフへ還元する→医院の利益を確保するといったサイクルを目指しましょう。
現状分析により見えてくる課題
目標設定ができたら、支出の見直しも行いましょう。現状分析の結果を用いて、まずは生活費が利益の範囲内で収まっているかをご確認ください。上記例であれば1,250万円以内です。その他にも、歯科医師会の経費にならない支払いや生命保険料等も適切であるかをご確認ください。
また、借入金返済については減価償却費の範囲内であればキャッシュフローは同じになるので大丈夫ですが、返済額が多い場合はキャッシュフローがマイナスになります。
少なくとも年に一度の確定申告の際には上記を確認して、医院の現状と院長の理解を合致させることをおすすめいたします。数字に強い院長は毎月確認しておられます。最低限の大まかな数値を理解しておくことは、院長として必要な能力です。
現状分析をネットで簡単に!
増患・増収.comでは、インターネットから簡単にお申込みいただける「歯科医院経営分析」を行っております。診断結果は簡易的なものとなりますが、「売上高」「変動費」「人件費(スタッフ)」「人件費(専従者)」「その他固定費」をご入力いただくだけで、後日、結果を送信させていただきます。希望者には診断結果を元にコンサルタントとのオンラインカウンセリングをご案内させていただきます(料金無料・1時間程度)。
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【新経営グループ】■ 新経営サービス清水税理士法人 ■ 株式会社新経営サービス
会計を中心としたコンサルティングを行い、歯科医院経営に携わる。「歯科医院のためのスタッフ人事評価制度マニュアル」作成を機に、歯科人事コンサルティングに取り組む。歯科専門コンサルタントとして歯科医院の改革を行い200医院を超える実績を持つ。