前回は、数値目標を活かす3つのポイントの概要を説明いたしました。今回は、3つのポイントの1つ目「目的」を詳しく説明させて頂きます。
1. なぜ目標を立てるのか。
これは院長にとっては当たり前の事ですが、スタッフには説明する必要があります。なぜなら、目標を立てて実行するのは院長だけではないからです。
今の医院では毎月どのくらいの収入があれば利益は出るのか、仮にどのくらいの収入であれば利益がマイナスになるのかをスタッフに伝えることも院長の仕事です。
この収入の額がわかれば(例えば、保険点数50万点や自費収入300万円など)、スタッフも頭の中に毎月の収入目標を持つことができます。そうなれば、一日40人診ればよいのか35人でよいのか、一日当たり5人増やせばよいのか3人増やせばよいのかを、スタッフが理解した上で協力してくれます。
出来る限り、一日の患者数や一ヶ月の保険点数など、スタッフの分かりやすい単位にすると効果が出やすくなります。
ここでのポイントは、受付担当です。アポイントをコントロールするのは、受付担当が大半ですので受付担当の良き理解と行動が重要です。また、アポイント数を増やすことによって、診療を見るのはDrやDhやDaですので他のメンバーの理解と協力も必要です。この目標による連帯感が、スタッフのプロ意識を芽生えさせます。
例えば、
≪ 7月の目標点数 55万点 1日当たり50人 リコール10人 ≫
≪ 7月の目標点数 35万点 1日当たり32人 リコール6人 ≫
2. 立てた目標はどう使うのか。
目標を立てるだけではいけません!必ず振り返りと目標と実績の対比をしてください。これがなければ目標を立てる理由がなくなります。
目標を立てた当初は、立てなかった時よりも効果が出ることはありますが、継続的な効果には繋がりません。目標と実績の対比することで、場合によっては院長の責任にもなることもありますが、経営者として目標と向き合ってください。院長の姿勢はスタッフにも伝染しますので、院長も経営者としてのプロ意識を持つことでスタッフの模範となります。
目標と実績の対比は、まず月間合計で行います。月間合計の保険点数や自費収入の合計金額、1回当たりの単価(レセプト1枚当たりや自費の来院回数などから)と確認します。そして次に、日ごとの集計を確認して、曜日ごとの変化や3週目と4週目の変化など週ごとの変化がないかを見ます。
目標と実績の差が多い場合は、以下の5項目を確認下さい。
1.目標が前年や前月に比べて無謀な数値になっていないか。
2.前年と比べて診療日数の変化がないか。
3・収入を左右する多額の返金や多額の返礼や多額の未集金やがないか。
4.予定のスタッフ数に変化がないか。
5.院長の診療時間に研修や医師会などの予定で変化がないか。
5項目に当てはまらない場合や目標と実績の差が少ない場合などは、次回の医院の数値目標を活かす3つのポイント2「方法」で詳しく説明いたします。
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