スタッフが結婚・出産等で退職した場合でも、永続的に医院は発展していけるか否か?
これは、夢歯科セミナーに参加いただいた院長の質問です。
開業年数が長い院長ほど、医院経営を左右する悩みとして、とらえていらっしゃるのではないでしょうか。
この質問は、結婚適齢期の女性スタッフを戦力にしている歯科医院特有の問題です。男性が多い職場ですと、あまり見聞されませんが、医療機関や小売販売店(女性スタッフの比率が高い)では、同じ問題を抱えています。
主な対応策を5つあげてみます。
- 「良いスタッフは、必ず結婚する」現実を受け入れること
- 入替り、業務引継ぎをスムーズに行なえるマニュアルを作ること
- 産休・育休制度の充実を行なうこと
- シフト制等を検討し、ワークライフバランスを考えること
- 退職後、復職しやすい雰囲気をつくること
1.「良いスタッフは、必ず結婚する」現実を受け入れること
平均3〜5年で退職することが現実です。だからといって、教育をおろそかにしたり、せっかく育成したのにといった気持ちから退職を拒んだりしてはいけません。「立つ鳥跡を濁さず」と言うとおり、お互いの潔い引き際が、復職の可能性を高めます。
2. 入替り、業務引継ぎをスムーズに行なえるマニュアルを作ること
スタッフの日常業務を、文書化・画像化・映像化して、後任のスタッフがスムーズに引き継いで、業務を遂行できるようにします。
3. 産休・育休制度の充実を行なうこと
公的制度を最大限利用し、出産・育児期間中の保障を確保します。目的は、医院とスタッフの双方にとって有効な時間的・金銭的保障を得ることです。
4. シフト制等を検討し、ワークライフバランスを考えること
出産期・育児期・復職期に無理のない勤務条件を提示します。それには、スタッフの家族環境に合った勤務体制を整備しなければなりません。
5. 退職後、復職しやすい雰囲気をつくること
勤務体制や制度が充実していても、シフト制で勤務するスタッフを特別扱いしすぎてはいけません。女性の職場は、全体のバランスが大切です。勤務時間は特別であっても、それ以外は、他のスタッフと同じように扱います。
結婚(出産)退職で生じる問題は、歯科医院の必須課題です。安定した経営をめざす視点からも、必ず対策を施さなければなりません。一つでも多くの対応策を取り入れ、長期雇用が可能であること、院長は長期の雇用関係を望んでいることをスタッフへ示しましょう。